tanazon’s diary

日々移ろう生きた証のほんの一部

いきこと米について

私たちが育てたお米「いきこと米」についてお話させて頂きます。

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「美しい自然が持つ力を活かして美味しいお米を育てみたい」

これが原点です。

 

化学合成されたものに依存し、それが及ぼす結果については誰も責任を取ろうとしないように感じる現代の農業のあり方に違和感を覚え、人に任せれないレベルにまで自分の中の思いが膨れ上がっていました。

 

そんな中、縁があって水の澄んだ津山市加茂町にて、自分のやりたかった形の農業を実現できたこと本当に嬉しく思います。

 

私のエゴに付き合ってくれて一緒に作業してくれたべーさん、倉敷からバックアップし続けてくれるYUMERiAL.GROUPS.、現地で農地や機械設備のサポートをしてくれた農事組合法人かんば川、相談に乗ってくれた友人、家族、応援してくれる皆さま。

こうしてお米のことを紹介出来るのは本当に皆さまの協力があってのこと。

お陰様で胸を張って大切な皆さまに食べて頂きたいお米を育てれることが出来ました。

本当に本当に有難うございます。

 

自分のお米の話の前に、お米の栽培方法について少し紹介します。

様々な農法が存在します。

まずは慣行栽培と言われる一般方法ですが、岡山県ではお米には18回農薬を使用していいとしています。

岡山県が定める農薬の使用レベルを載せておきます。

http://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/548231_4347460_misc.pdf

 慣行栽培でも環境に考慮している優良な農家さんはもちろんおります。

ですが曖昧な判断でされている方もおられます。その背景には使用するにあたり十分な説明が販売店から満足にされていないのではないかと感じています。

 

そんな中、環境にも身体にも負担を下げようと化学合成されたものを使用を控える農家さんもおられます。有機栽培、自然栽培、特別栽培と言われる農法です。

有機栽培と言うと2000年に設けられた有機JAS規格により認可を貰わないと名乗れなくなりましたので、現在では有機有機JAS規格という概念が広まっています。

オーガニック栽培、有機栽培、減農薬栽培、無農薬栽培等、国に認められないと名乗れません。

 

理由としましては、農業者判断による曖昧な基準を取り締まるためであったり、国際基準に合わせてオーガニック市場の流通で取り扱いやすくするため等、いろいろと説がありますが気になる方は一度調べてみてください。

 

また岡山県にはさらに厳しく取り締まる「おかやま有機無農薬栽培」という規格があります。こちらは有機JAS規格では認められる農薬や化学肥料の使用も禁止しています。

個人的には有機JAS規格より信頼できるものだと感じています。こちらも一度調べてみてください。

下の図は、おかやま有機無農薬農産物の位置づけです。

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さて、私の農法はと言いますと認可は頂いていませんので、有機JAS規格でも、おかやま有機無農薬農産物でもありません。

 

「田邉晃次が本気で自信をもって食べて欲しいと思う農法」とします。

 

これだけで納得してくれとは言いませんので少し説明させて頂きますね。

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私も目指すところは完全無農薬栽培です。

 

化学合成されたものは土壌に負担をかけてしまい、健康な作物が育たない。

土壌には生物にとって有害な物質を分解、浄化する力はあるがそれには限度がある。

 

こういった事を考慮すると化学合成されたものを使用を控えるのは当然の判断になりました。

しかし購入した苗に農薬が使用されていたり、水田の草抜きが追い付かず初期除草剤を使わざるを得ない状況になってしまい無農薬を達成する事が出来ませんでした。

初期除草剤を使用した水田の稲ですが、その後は順調に育ってくれて病気にもならず追加で農薬を使用することなく無事に収穫にすることが出来ました。

 

上記の有機無農薬の枠組みの中で表すと私の栽培方法では慣行レベルの8割以下の農薬削減となるでしょうか。あくまで独自の判断ですが。

 

こういった独自の判断だけではなく第三者機関に依頼、調査することでより安全の証明となると思います。私自身も消費者ですので購入する判断にさせてもらっています。

 

有機JAS規格では水田の環境と栽培工程という「経過」を取り締まることで安全の証明としています。

 

私たちは収穫されたお米を第三者機関に検査の依頼することによって「結果」を分析し安全の証明とさせて頂きました。

つくば分析センターへ250項目の残留農薬試験の検査を委託しております。

 

私たちのお米からは250項目中、何一つ成分が検出されませんでした。

改めてデータを公開します。

 

有機農業とは有機物を活かす微生物の働きに目を向けるものです。

 

作物が健康に育つにはただの土ではなくには土壌菌という微生物が必要です。 

今回、私たちが手掛けた水田の土壌が正常に働いて健康なお米が育ってくれた事が第三者機関により証明されました。

本当に嬉しく思います。

 

私はお米を作れません。

植物本来の生命の働きと、その環境を活かす土に住む微生物がお米を作っています。

人間の力ではありません。

 

作物が育つ栄養素を化学合成出来るようになった技術は大変素晴らしいと思いますが、それにしか頼らないのは浅はかだと思います。

 

土の働きを丸ごと活かした方が本当においしい健康なお米が育ってくれると私は信じております。

 

生きる過程のひとつとして「いきこと米」を追求していきますので、よろしくおねがいします。